インプラント・移植

1:インプラント治療って何のため?

そもそもインプラント治療とは何のために行うのでしょうか?

歯というのはいつまでも健康でいるために、しっかりものを噛めることが大切な役割であるということは言うまでもありません。

しかしある時、歯がなにかの理由で失われることになった場合、ものが噛みづらくなることはもちろん、話しづらくなる、見た目が気になり思いきり笑えなくなる、といった生活するうえで様々な問題が起きることになります。

極端な話をすれば、歯をすべて失ったからといって、すぐさま命を落とすことはありません。 しかしながら、美味しくものが食べられない発音がしにくくなる、見た目を気にして笑えなくなる、といったこれまでの生活で当たり前に出来ていたことが当たり前ではなくなってしまうのもまた事実です。

失ってしまった歯を取り戻す治療法としてはインプラント治療の他に、「ブリッジ」という被せものや「部分入れ歯」、また「自家歯牙移植」といった治療法があります。

その中でもインプラント治療は、
・入れ歯と比べてしっかり噛める、見た目が自然、周りの歯に負担をかけない
・ブリッジと比べて周りの歯に負担をかけない、削らなくてよい
・自家歯牙移植と比べて成功率が高い、治療を行える範囲が広い
といった多くの利点を持つ治療法です。

ですからインプラント治療は、失われた歯の機能を取り戻すと同時に、美味しくものを食べ、いつまでもたくさん笑い、楽しく人と話すことができ、健康的なで豊かな生活を維持していくこと=「クオリティオブライフ」を実現するための最適な歯科治療の一つだと考えています。

2:インプラントとはなにか?

現在もっとも世界でスタンダードなのが、歯を失った部分の顎の骨に人工の歯根を埋め込む「歯根型のインプラント」です。 その上に人工の被せ物を取り付けていきます。

インプラントは図に示す通り三層構造にわかれます。

・フィクスチャー
顎の骨に直接埋め込む歯根の役割を果たす部分です。
チタン合金で出来ており、ざらつきのある表面性状により骨と結合する性質を持っていますので、安定してしっかり噛むことができます。

・アバットメント(支台)
骨結合したフィクスチャー上部にネジ止めされ、歯肉を貫通するための土台となる部分です。

・上部構造
主にセラミック素材のものを使用し、ほぼ自分の歯と同じくらい自然な見た目に仕上げることができます。

インプラント治療は治療法が考案されてから40年以上の歴史があり、現在国内はもちろん、世界中の医療機関で治療が行われており、症例実績が非常に豊富な安全性と信頼性の高い治療です。
ただあまり知られていないこととして、インプラント治療は外科学、歯周病学、咬合学、補綴・修復学、材料学といった学問がリンクしあっている複雑なものであり、どれか一つでも欠けるとうまくいかない、本来高度な治療技術を必要とする治療法とも言えます。

3:インプラントのメリット・デメリットとは?

インプラント治療では以下のようなメリット・デメリットがあると考えています。

メリット
・入れ歯のような違和感がない
・自分の歯のように噛める
・かみ合わせを整えられる
・入れ歯の維持装置として使える
・虫歯にならない
・咬合崩壊のスピードを遅くできる

デメリット
・保険適用外となる
・治療期間が長い
・外科治療による痛み、腫れがある
・年齢制限がある
・全身疾患による制限がある
・ネジの緩みが起きる可能性がある
・天然歯よりも歯周病に若干罹患しやすい
 (感染への抵抗力が少し落ちてしまうため)

4:インプラント治療は診査と診断・治療計画が大切

歯根型のインプラントが広く普及して約20年以上になります。
賛否両論が聞かれますが、私は他の治療と同じように比較的安全な治療法であると考えております。
(インプラント治療は世界的に90%以上の成功率となっています)

しかしながら、根の治療を何度も繰り返していて抜歯、虫歯が大きいから抜歯し歯を失ったからと言って単純にインプラントで補填するという考えは慎むべきだと思います。

歯が失われたことにはそれなりの理由が必ずあります。

そのため、失われた理由をすでに失われている状態から可能な限り推測しなければ、インプラントを埋入しても、将来そのインプラントもまた同じように問題を起こすか、もしくは、その反対側の歯に問題が起きる可能性があります。

理由が虫歯によるものだけであればインプラントは虫歯になりませんので問題ありませんが、歯周病やその他の原因であれば、インプラント治療に進む前にきちんと原因を把握しておくことが大切です。

ですから当院では治療前に総合的な診査診断とそれに基づく治療計画の立案を必ず行います。

例えば、治療計画の立案する上で「宮地の咬合三角」という概念があります。
簡単に言うと、「歯が失われたときに、健康的に咬むためにどこに歯を作るべきか」「どこに歯があることで他の歯を失われにくくするか」という考え方です。

※宮地の咬合三角
縦軸の咬合支持数(噛み合う歯がある数)、横軸に既存歯数をとって、その座標位置で症例の難易度を見るもの。視覚的に健康状態から総義歯までの難易度を三角域で4つの段階に分けて現わすことができる優れた分類方法。

インプラント治療においてもこの概念をしっかり捉えておく必要がありますし、歯を失った状態をそのまま放置してしまうと、更に別の歯を失うこととなり、最終的には咬合崩壊を引き起こしてしまう可能性があるからです。

その他に、もし仮に口の中の全体の治療が必要になった場合は、まず顎関節の状態を診査し、各々の骨格の形態を分析し、咬み合わせの高さを決めます。そして歯の並びからのかみあわせの平面が決まり、最終的に歯の形(咬合面形態)を決めていくという流れが大切になります。

少し専門的な話になりましたが、そのような概念や手順をきちんと知っておくことで、意味のあるインプラント治療を行うことができると考えています。
(もちろんすべてのインプラント治療に対しては必ずしもそうではありません)

今まで噛んでいた歯がもし悪くなって抜去しなければいけなくなった場合に、以前より抜去は設備の点で容易になったとはいえ、やはり十分に診査、診断、全体的な治療計画を立案してからインプラント治療を行うべきでしょう。

5:インプラント治療の必要性

歯を失ったからと言ってどんなケースでも必ずインプラント治療が必要というものではないと考えております。
・ショートアーチ狙いの場合(奥歯が必要とされない場合)
・全身疾患がある場合
・患者様の体力的な理由
・臼歯離開が確保できない場合(奥歯が奥歯同士で常時くっついてしまっている状態)
・対合歯がない時、(咬み合う上の歯がないのに下の歯にインプラントは入れられない)

逆にインプラント治療がとくにメリットの大きい状況というものもあります。 その中の一つにさきほど治療計画をたてる上で大切な概念で簡単にご説明させていただきましたが、「バーティカルストップ(咬合支持)の確立」のためのインプラント治療がそれに当たります。

「健康に咬む」ことにおいて、バーティカルストップ、つまり奥歯の咬み合わせの高さを保つことがとても大切です。歯を失うことでこの咬み合わせの高さが低くなってしまうと、上下左右前後の噛み合わせのバランスが崩れ、左右非対称に顔が歪んでしまうこともあります。
顔の噛む筋肉は、頭や肩、首の筋肉とつながっているので、顎だけで無く、全身のバランスが崩れ、肩こりや腰痛の一因にもなります。
歯を失ってしまうことで、全身の健康を損ねる原因になってしまうことにつながってしまうのです。

6:当院のインプラント治療の考え方

今後、インプラント治療はデジタルとの相性が良い治療なので、患者様にとって益々治療の負担が少なくなっていくと思っています。それと同時にインプラントを行う上で骨の重要性が益々高まっていくと思われます。

当院にとってインプラント治療とは、
・歯を守るため
・食事をするため
・発音するため
・自然に笑えるため
・見た目のため

そしてこれらを維持していくための最適な治療法だと考えております。

当院ではインプラント治療を通じて、いつまでもたくさん笑い、話せて、美味しく食事ができ、健康的な生活を送っていただくためのサポートをお約束いたします。

よくある質問

治療について、質問にお答えします。

インプラント治療の流れ

1.硬組織のマネジメント

GBR(骨誘導再生)法とは、インプラントを支えるだけの骨が無い場合に行う治療です。
CTで撮影した3Dデータなどを基に測定します。骨の量が足りないと診断された場合、ご自身の口腔内から補う骨を採集して、他には骨補填材という人工骨と混ぜて使用して骨の補填を行います。
この治療は、6-8カ月を目安としています。

2.インプラントの埋入

GBR治療で骨がしっかりとあると診断できたら、インプラント埋入を行います。当院では、CTデータを元にサージカルガイドを作成し、インプラント埋入ポジションを確定します。

手術中の麻酔について

当院では、静脈内鎮静法という点滴を行います。手術中常時、モニタリングを行い状態管理し、患者さんの安心安全を提供するように心掛けています。

3.軟組織のマネジメント

インプラント埋入した周りに十分な歯肉が無い場合に行います。
インプラントがより安定して長く保ってくれる事を期待して、硬い歯茎を移植したり遊離歯肉移植術(FGG)より自然な歯茎に見せるために歯肉のボリュームを増やし、結合組織移植術 (CTG)メイテンナンスしやすさを獲得していきます。

4.上部構造(被せ物)の設置

硬組織のマネジメントとインプラント埋入、軟組織マネジメントの治療まで、全て行った場合、長い方で1年近くかかる事もあります。しかし、上記の治療をしっかりと行うことで、行わないで埋入したインプラントとでは、治療後に大きな違いがでることがあります。それが、インプラント脱落やインプラント周囲炎などの、歯肉退縮のような二次災害です。当院では、再発防止や口腔環境維持をどう実現するのかを、患者さんの口腔環境によって提案し、長く保つインプラント治療を心掛けています。

5.メインテナンス

インプラント埋入後は、メインテナンスで定期的に当院へ通って頂くことをお勧めします。
インプラントは、既に十分に天然歯と変わる人工歯として確立されていますが、メインテナンスを不十分にしてしまえば、やはり歯と同じ様に歯周炎などの症状が出る場合もありますので、より長く保つために一緒に予防をして行くことが大切です。

移植

当院では、歯の移植手術も行っております。インプラントは・・・、親知らずが使える!そんな時に出来る治療です。

親知らずや、歯並びによって、日常生活に影響しない天然歯がある場合に、移植手術を適応することができます。
しかし、天然歯を抜歯して、移植しますので根管治療が不可欠です。こちらの治療も、即時に治療が完了するものではなく、安定させるために治療を行っていきます。

移植の流れ

  1. STEP01

    抜歯

    いらない歯を抜いて使用する歯を抜きます。使用する歯の設定は、レントゲンやCTなどで検査して、模型も作成して、歯の健康状態を確認して行います。

  2. STEP02

    移植

    抜歯と同時に行います。
    移植する歯(供給側)をいらない歯を抜いた場所(受給側)に移植します。抜歯直後に行う事で、受給側の周りの歯茎が治癒力によって供給側が安定し始めます。

  3. STEP03

    歯の固定

    移植ポジションに、抜歯した歯を固定します。

  4. STEP04

    根管治療

    挿入した歯を、より安定させるために根管治療を行います。

  5. STEP05

    補綴

    抜歯してから、3カ月以降に行います。
    抜歯部分の歯周組織が安定してから、治療を行います。

  6. STEP06

    メインテナンス

    安定を長く保つために、メインテナンスを行います。

    予防はこちら

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