歯周治療

その歯、残せるかもしれません

歯の一本あたりの金銭的価値は一般的に約60~120万円と言われています。
一概にあなたの大切な歯をお金に換算するわけではありませんが、歯を一本でも残せるのであれば、そこを治療することには十分な価値がありますし、歯を失う原因第一位である歯周病に対してどのような治療を行っていくのかは、とても大切であることだと考えています。

とても怖い歯周病という病気

歯周病というのはサイレントディジーズ(沈黙の病気)と言われ、虫歯とは違って重度になった場合でも痛みが出ることの少ない病気です。

歯茎が腫れたりすることはありますが痛みが出ないために、知らず知らずのうちに歯を支えている骨が溶けて歯の寿命が短くなるばかりか、最終的に歯を抜かなくてはならないことになるので、非常に怖い病気であると言えます。

歯周病になると
・口臭が気になる
・歯磨きをすると出血が止まらない
・歯茎が腫れる

などといった症状が起きてきます。
このような症状がある方は、歯周病の可能性がありますので、お早めに歯科医院でのご相談をおすすめします。

・虫歯=歯が溶ける病気
・歯周病=歯を支えている骨が溶ける病気
とご認識いただけるとよいかと思います。

歯周病治療で大切なこと

歯周病治療で大切なことは、「敵を知り己を知れば百戦危うからず※」という孫子の有名な一節があるように、まず「正確なお口の状態を把握すること」を当院では大切にしています。
そのため当院では歯周精密検査を行っています。
※自分の実力と、両方をきちんと知っていたら、戦において負けることはないという意味

歯茎の状態を知る

一つの歯に対して6カ所の歯周ポケット(歯と歯肉の溝のポケットの深さ)を測定し、また歯ぐきからの出血具合や歯ぐきの下がり具合、歯のぐらつき具合を見ます。
奥歯であれば歯根の股の部分の状態も見ていきます。
歯は通常根っこが見えない状態ですから、歯周精密検査を行うことはとても重要であり、これを行うことで歯茎の状態をより正確に知ることができます。

骨の状態を知る

デンタル14枚法と言われるデジタルレントゲン写真を使って、1枚1枚細かく骨の状態を診査診断していきます。

噛み合わせを見る

歯周病の進行は噛み合わせが原因であることもあります。
そのため正しい方向に適正な力が歯に加わっているかを診査します。

歯周病治療の流れ

歯周精密検査後の治療のステップをご紹介します。

1.歯磨き指導

虫歯と同様に歯周病においても普段から正しい歯磨きが出来ているかが大切です。
しかしながら歯磨きをきちんと出来ている人は実は少ないのが現状です。
当院では歯科医師や歯科衛生士による歯磨きの仕方のアドバイス(ブラッシング指導)に力を入れております。
具体的には、歯周病の原因となってるお口の中の細菌の染め出しをして、磨けていないところを見える状態にします。
特にその部分に対しての歯ブラシの当て方を丁寧にアドバイスしながら歯磨き指導を行っております。

2.歯石除去・歯周内科療法

歯磨きが正しく出来るようになってから、歯茎の上にあるプラーク(歯垢)を取り除いていきます。
そしてブラシでは取り除くことができない歯石を取り除くスケーリングを行っていきます。

歯石が取れると炎症が治まり段々と歯茎の状態が良くなっていきますが、ただ歯茎の下に歯石がある場合は、それを取り除いていくルートプレーニングを行う必要があります。
その際に、薬を服用して治療する歯周内科療法を行うこともあります。(下記に詳しく掲載)

3.再検査(歯周病精密検査)

歯石を全部取り除くことは難しいと言われており(特に歯周ポケット4mm以上ある場合)、歯周病専門医でも取り残すことがあります。
また取り残したかどうかはその時点では分からないので、歯石を取り終えた後に一定期間をおいてもう一度歯周病精密検査(レントゲンや歯周ポケット検査)を通じて評価を行います。
歯周病治療は生体に対して行っていますので、一定期間をおいて身体の反応を見る必要性があります。
治療を施して終わりではなく、時間をおいて評価することはとても大切なステップです。

また再度、その時点の歯周精密検査(レントゲン検査・歯周ポケット検査)において、歯周ポケットが残存していて骨が欠けているように見える場合は、外科的な治療(歯周外科治療)を行うケースが出てきます。
もちろんもう一度歯肉の下の歯石取りを行うこともあります。

4.歯周外科治療

歯周外科治療とは、ブラッシングや歯石除去など歯周基本治療を繰り返しても思ったように症状が改善しない場合に修復や再生を行う外科的な治療です。
歯肉を開いて明視下で歯石を取る歯肉剥離掻爬術(しにくはくりそうはじゅつ)や切除療法、歯周組織再生療法などがこれにあたります。
歯周外科治療を行うことでより歯の保存に良い影響を与ることができます。

5.再検査&メインテナンス

再検査を行い歯周ポケットの深さが減少していて、細菌がつけ入るスキの原因となるポケットが少なくなっているなど良好な結果が得られればメインテナンスへと移行していきます。

歯周外科治療について

実は歯を支えているのは歯茎ではなく骨です。
その支えている骨がなくなっていくのが歯周病なのですが、ポケットの深さが5mm以上だと骨が欠けていることが多いので積極的な歯周病治療アプローチ(外科的アプローチ)が必要となってきます。

歯肉剥離掻爬術(フラップ手術)

歯肉を開いて歯石を取る方法です。
スケーリングやルートプレーニングでは取ることのできない歯周ポケットの奥深くにある歯石を除去し、ポケットを浅くする治療です。
歯肉を切開し、歯肉の下の歯周ポケットの深い部分に隠れている歯垢(プラーク)や歯石を機械的に除去します。

切除療法

歯肉を切開して歯槽骨(歯を支える骨)の形を整え、最後に歯肉を縫合し、歯周ポケットを浅くする治療法です。歯茎がやや下がってしまうので、切除療法が適切かをしっかり見極め、慎重に治療を行う必要があります。骨がガタガタしていると歯周ポケットが残りやすいので、骨の形態を平らにすることが大切です。

歯周組織再生療法

欠けている歯周組織(骨・歯根膜)の再生を行う治療法です。
歯周病治療において、歯周組織の再生は重要です。
重度の歯周病によって歯槽骨は溶けてなくなります。
歯石や歯垢を除去しても、歯周組織が完全に元に戻るわけではありません。
歯を支えるサポートが弱まり、結果として歯が残らない可能性が高まってしまいます。
そこで、歯をよりしっかり支えられるよう、歯周組織の再生治療を行います。

当院では歯周組織再生療法を行う上で、
・全身の健康状態(既往歴や疾患の状態:糖尿病、高血圧、喫煙など)
・十分にブラッシングを行えている状態
・マイクロスコープで歯石を除去する
・基本的な術式の徹底
などをポイントととして、確かな治療技術と経験を用いて最善を尽くした治療を行っております。

歯周内科療法について

これまでお伝えしたような物理的に歯石を取るのではなく、薬物療法で細菌を除菌する方法です。
時間の経過とともに薬効効果は徐々に薄れ、細菌数は増加し、しばらく経つと治療前とほぼ同じ状態に戻ることがあります。
そのため歯周内科療法と並行して歯石除去・クリーニングを行うのが効果的です。

当院では、お口の中にどういった菌が多く存在しているのかを調べるためのリアルタイムPCR法(細菌の遺伝子検査)を当院では行っています。

噛み合わせと歯周病について

歯周病が進行する原因の一つに噛み合わせに原因があることもあります。
干渉(噛み合わせの負荷)が強い場合も、歯周病が進行するケースがあり、その場合はこれらのような歯周病治療と同時に噛み合わせの治療も必要になってきます。
当院では、正しくその原因を究明するために、歯周病検査だけでなく噛み合わせの検査等、総合的な診査診断を行っています。

エクストルージョン(歯根挺出)
~補綴治療、歯周病治療のための部分矯正~

歯肉の下にある歯を、歯列矯正と同じ原理で引っ張り出す治療法です。
歯は、弱い力を常時かけ続けることで移動していきます。

エクストルージョンは通常、歯根だけが歯ぐきの中に残っている場合、予後不良で抜歯と言われることがありますが、歯茎の中から歯を引っ張り出すことで歯を抜かずに歯の状態を改善させ被せ物を行えるようにするための治療法です。

その他、応用編としてエクストルージョンによって歯を動かすことで骨の形態を変えることができ、それによって再生療法を成功しやすい状態にできるので、歯周病治療のためにこの治療法を用いることがあります。

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