院長ブログ

歯を強くするフッ素について

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こんにちは、等々力・深沢・中町にあるソフィア歯科医院の矢島です。

先月、歯の病気から予防するために必要な『フッ素』について院内全体で勉強を行いました。

その内容の一部を少し専門的かもしれませんがまとめてみました。

フッ素とは?


一般的にフッ素と呼ぶ場合は、元素としてのフッ素を指し、水や食品中の無機のフッ素、う蝕予防のフッ素イオンは「フッ化物(fluoride)」と定義されています。

フッ化物塗布の持続時間は約2ヶ月でフッ化ナトリウムが消費され、

その後の効果がなくなってしまうことから、

  • フルオールゼリー(フッ化ナトリウムでう蝕予防)、
  • リナメル(ナノ粒子ハイドロキシアパタイトでリン酸カルシウム・ミネラルの補給)、
  • MIペースト(CPP-ACPで中性・緩衝作用の向上、カルシウム・リンの補給)

などで、患者様一人ひとりの口腔内に見合った処方を勧める事が大事になります。

フッ素の効果・作用について


フッ化物は主に酸に強い歯にしてくれる作用があり、

ハイドロキシアパタイトは脱灰(だっかい)によって溶け出した歯の成分(カルシウムやリン)を歯に戻してくれる働きがあります。

 

しかし逆を言えば唾液中にある程度の量しか戻されず、カルシウムやリンを戻しきってしまうとフッ化物をどれだけ多く作用させても戻すものがないのでそれだけ余ってしまいます。

そのためフッ素の洗口剤やフッ素入りの歯みがき粉を使った後にMIペーストでカルシウムやリンを補ってあげると相乗効果でより再石灰化に効果があることから、

むし歯リスクが高い患者さん、矯正治療中の患者さんには特にホームケアでもフッ化物・MIペーストをうまく取り入れて予防に取り組むことが大切です。

キシリトールとむし歯予防


キシリトールの話では甘味料の50%以上が『キシリトール』を使用しているものを選び、むし歯予防の効果を実感するには、

キシリトール100%配合のガムの場合、一日3回、1粒ずつを毎食後に噛むとよいです。

むし歯のリスクが高い方は、1日5回、毎食後と間食後、おやすみ前に1粒を噛む(一度にたくさん摂るより、一日に何度かに分けて摂るほうが効果的)と良いです。

100%キシリトールガムを1日5粒、1回5分間噛み続けると50%のむし歯予防効果があるといわれています。

また、キシリトールを食べると、2週間で歯垢が減りはじめ、3ヶ月ほど経つとむし歯になりにくくなると言われていますが、その後すぐにやめてしまうとしばらくして再びむし歯菌が増え始め、むし歯になる危険性も高くなる為、効果を実感するために継続的に食べることが大切です。

 

キシリトールガムだけでなくリカルデントガム、リン酸化オリゴ糖カルシウム含有ガムが口腔内環境を整えてくれるので、

ガムに関しても口腔内に適した選択していくことが大切になります。

(キシリトールは虫歯予防ガム、リカルデント(CPP-ACP)はエナメル質を修復し、歯を丈夫にするガム、POs-Ca F(ポスカF)のリン酸化オリゴ糖カルシウムでむし歯を防ぐだけでなく、

溶けてしまった歯を再石灰化させて、元の丈夫な歯にするガムになります。)

噛むことが大切です


最後に、噛むということは全身にとって良いというお話しです。

ひ:肥満防止 → よく噛むことで満腹中枢が満たされ肥満の防止につながる。
み:味覚発達 → 味わいが深くなる。例)ご飯に甘みを感じる。
こ:言葉の発達 → 舌やお口まわりの筋肉が発達し言葉がはっきり発音できる。
の:脳の発達 → 脳に刺激を与え老化予防になる。
は:歯の健康 → よく噛むと唾液がでるのでむし歯の予防になる。
が:癌の予防 → 唾液中の酵素(ペルオキシターゼ)が食物中の発癌物質を中和する。
い:胃腸促進 → 食物も細かくなるので消化しやすくなる。
ぜ:全力投球 → 全身の体力向上になる。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

予防・メインテナンス

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